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師匠


私のフルートの師匠というのは2人いらっしゃって、

おひとりは、高校生の時に音大受験に付き合ってくださった先生と、

もうおひとりは、音大時代に育てていただいた先生。

音大時代から、卒業したあとも、何かと面倒をみてくださったのが、

NHK交響楽団の首席フルート奏者だった中野富雄先生でした。

中野富雄先生は、ちょうど2年前、62歳という若さで天国へ行ってしまいました。

私はいままで、祖父や祖母、叔父、高校の先輩、音楽仲間を亡くしてきましたが、

フルートの師匠を亡くすというのは、

心の拠り所をなくすような感じで、

他とは違った、なんとも表現できない感情になりました。

先生は、私が学生のころから心臓に持病を持ち、

それでもNHK交響楽団の首席フルート奏者としていつも舞台に立ち、

透き通った、とても響きのいい音色で、

たくさんの曲を演奏していました。

私が先生に初めてお会いしたのは高校生のころで、

いままでテレビでずっと見ていた先生の音って、実際どんな感じなんだろう、、、

と、わくわくしながらレッスンに行き、

間近でその音を聴いたときには、

私の予想をはるかに超えた、

大きくでずっしりした、響きのある音で

すごく感動したのを覚えています。

音大に入ったら、下手だった私を弟子にしてくれて、

ほめて伸ばしてくださる先生でした。

私は高校生のときは部活動で、

「下手くそ!」と顧問の先生からののしられながら練習していたので、

そのギャップがあまりにも大きすぎて、

逆に物足りないというか、、、

私、このままで大丈夫なんだろうか。。。

と思っていましたね。

だから、レッスンは全部録音して(MDで!なつかしい〜!!)

何回も何回も聴いて、

自分の演奏と、先生の演奏のどこが違うのか、

一生懸命研究していました。

私は、先生は褒めて伸ばすタイプの先生なんだとばかり思っていましたが、

2年前、お葬式で先輩方と久しぶりにお会いして先生のことを話していると、

どうも、生徒によってレッスンのやり方を変えていたみたいだ、

ということがわかりました。

ちゃんと練習してないと飛び蹴りされるからレッスンがこわかった、

と言っている男の先輩がいらっしゃって、驚きました。

もしかしたら先生は、

高校時代にすりこまれた、おこられるからやる、

みたいな、受け身な私を変えようとしてくれていたのかも知れません。

私も、きちんと生徒さんおひとりおひとりをきちんと見て、

その生徒さんに合ったやり方で、

フルートを楽しんでいただけるように、

これからもがんばっていこうと思います!

今回のオススメ動画は、

NHK交響楽団が演奏している、

ベートーベンの交響曲第7番の4楽章です。

この曲は、のだめカンタービレというドラマでも

ずいぶんと取り上げられていたので、

一般の方にもずいぶんと有名になりました!

フルートの首席は、中野富雄先生が務められています!

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